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琉球在来種の今帰仁アグー
「ブランド豚」「銘柄豚」という言葉を耳にするようになった今、「アグー」という豚が「沖縄の豚」ということを知っている人も増えてきているのではないでしょうか。
「アグー」という呼び名は「あぐー」と「アグー」でも違いがあり、日本本土の在来豚はほぼ絶滅してしまっている今、琉球在来種の今帰仁アグーはとても奥深い豚でした。2017年1月、そんな今帰仁アグーを育てている高田さんの農場を訪ねました。
現在の日本の多くの土地で育てられている豚はバークシャーやデュロックなど西洋からきた豚で、一般的に食べられるようになったのは明治時代以降なのだそうです。
しかしアグーは琉球王朝の時代に中国から渡ってきた豚とそれまで沖縄にいた豚との交配によって誕生した在来種の島豚となり、今の日本では貴重な在来豚です。
何故ここまで貴重になってしまったかというと、西洋から来た豚のほうが育てやすく生まれる子豚の頭数も多いという特徴から、生産者からすれば西洋種の豚のほうが好ましく、在来豚に西洋種の豚をかけあわせて、より育てやすい豚というのがメインとなってしまっているからです。
一時期は絶滅しそうになったアグー。高田さんの「今帰仁アグー」は、石垣島で生き延びたアグーの血が濃い豚を譲り受け、そこからアグーの特徴が多い豚を選別して「掛け戻し交配」を続け、日本で唯一の在来豚を守り続けているのだそうです。
アグーの特徴は真っ黒なボディに、へこんだ背中。この写真▼ですと、手前の豚のほうがアグーの特徴がわかりやすく出ています。
「アグー」と「あぐー」の違い
「あぐー」という表記は沖縄県農業協同組合の登録商標となっていて、琉球在来豚「アグー」の血が50%以上ある豚肉と定められているそうです。
しかし高田さんの「今帰仁アグー」はそれよりもずっとアグーの血が濃い、在来豚となります。
今帰仁アグー 高田さん放牧地
高田さんの今帰仁アグーは自然に近い形で放牧され、のびのびと育っています。
今帰仁アグーの豚舎
生まれたばかりのアグーは豚舎にいました。
母アグーが食事をしています。
母アグーの食事の間、静かに待つ子アグーたち
食事が終わった母アグーがゴロんっと寝転がった瞬間に子アグーたちが突進します。
無心にお母さんのおっぱいを飲む子アグーたち
そして母アグーが立ち上がったら授乳終了。子アグーもおとなしく戻ります。
琉球在来豚、日本の在来豚の血を守ろうと日々アグーを育てている高田さんのお話はとても興味深いものでした。
今回は取材という形でお邪魔しており、一般に観光用として養豚場を公開しているものではないのでご了承ください。
今帰仁アグー高田さんのホームページ▽
http://nakijinagoo.com/htdocs/